安全でおしゃれな階段を作ろう
階段はただ上り下りするだけのものじゃない
注文住宅を建てるなら、細部にこだわりたいものですね。
階段も、こだわって計画すると非常におしゃれな空間を演出するポイントになります。
例えば、玄関を開けると目の前に現れる螺旋階段、大きな窓の前にある鉄骨とガラスの階段、リビングの吹き抜けにあるスケルトン階段、ゆるやかなカーブを描く階段。
家の中で階段が占める割合は意外と大きいもので、階段を家の中のどこに設けるかで全体の間取り計画がまったく変わってきます。
そして階段は、なにより安全なものでなくてはなりません。
第一に安全面を考慮しながら、こだわりの階段を計画しましょう。
建築基準法上の階段の決まり
階段の各部位の寸法は建築基準法で定められており、その建物の用途によって決められた寸法は変わってきます。
一般の住宅の場合、階段や踊り場の幅は75cm以上、けあげ(段差)は23cm以下、踏面(足を乗せる面の奥行)は15cm以上、踊り場の位置は高さ4m以内ごと、となっています。
螺旋階段の場合は、踏面は狭い方から30cmのところで測ります。
直階段の踊り場の場合は、踏面は120cm以上です。
ただしこの寸法は最低限のものであって、実際この数値で階段を作ると踏面はちょっとせまいですし、勾配も急に感じるのではないでしょうか。
参考までに、小学校用の階段は幅140cm以上、けあげ16cm以下、踏面26cm以上となっています。
子育て世代の注文住宅であれば、少しゆるやかな階段にしたいものです。
ちなみに中学校高校の階段や、多数の人が利用する店舗や映画館などの階段は、けあげが18cm以下で幅と踏面は小学校と同じです。
高齢になったときのことも考えて、スペースに余裕があればゆるやかで上り下りしやすい階段にしたいですね。
転落の危険に備えたい
気を付けてはいても、うっかり踏み外したりなにかの拍子に階段から転落することはあります。
それを防ぐために、踏面に滑り止めゴムを取り付けたり溝をつけたりしましょう。
また、踊り場の設置もおすすめします。
特に直階段の場合、転落すると1番下までいっきに転がり落ちてしまいます。
踊り場があれば途中で止まりますし、上り下りの途中でいったん立ち止まるのも容易です。
手すりの設置
今は、手すりは必ず取り付けることになっているので、新しい注文住宅ならついているはずですが、つけなければならないのは片側のみです。
高齢になる将来的には、できれば両側につけたいところです。
ただ最初から取り付けてしまうと、階段がせまく感じられる場合もあるので、後から手すりを追加できるように壁に下地をつけておくのもいい手です。
安全かつおしゃれな階段を
階段での事故を防ぎ、なおかつおしゃれな空間を演出するような、注文住宅ならではのすてきな階段を計画できるといいですね。